ペイシェントハラスメントに関する基本方針
藤本病院(以下、「当院」という)は、患者さん、ご家族の権利と尊厳を尊重し、最適な医療の提供を心掛けております。
近年、医療現場において、患者さんやその家族から、職員や他の患者さん・家族に対する暴言、人格を否定する言動、暴力、セクシャルハラスメント、執拗な要求といった、人の尊厳を傷つけ、医療現場全体の環境を悪化させてしまうような行為が増加しています。このような言動・行為は「ペイシェントハラスメント」と呼ばれています。
当院は職員のみならず、他の患者さん・家族の人権を尊重し、擁護するため、ペイシェントハラスメントと判断される事象につきましては、組織的に毅然とした態度で対応します。
ペイシェントハラスメントとは
当院では、『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』(カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会、厚生労働省、2021年)を準用し、「ペイシェントハラスメント」を以下の通り定義します。
ペイシェントハラスメントとは、患者・家族等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、従業員等の就業環境や、他の患者、利用者、家族等の療養環境が害されるもの。 |
(1)「患者・家族からの要求の内容が妥当性を欠く場合」の例
① 病院の提供する医療サービスに過誤・過失が認められない場合
② 要求の内容が、病院が提供する医療サービスの内容とは関係がない場合
(2)「要求を実現するための手段·態様が社会通念上不相当な言動」の例
【要求内容の妥当性に関わらず不相当とされる可能性が高いもの】
① 身体的な攻撃(暴行、障害)
② 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言)
③ 威圧的な言動
④ 土下座の要求
⑤ 継続的な(繰り返される)、長時間もしくは長期にわたる言動
⑥ 拘束的な行動(不退去、居座り、監禁)
⑦ 差別的な言動
⑧ 性的な言動
⑨ 職員個人へ攻撃・要求
⑩ SNSやインターネット上で誹謗中傷、プライバシーを侵害する情報の掲載
⑪ 建物や設備機器を故意に破損させる行為
⑫ 危険物を持ち込む行為
【要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの】
① 金銭補償の要求
② 交通費の請求や、診療費等の未払い要求
③ 謝罪の要求(土下座の要求)
ペイシェントハラスメントに対する対応
前項の「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動」と認められる行為を患者さんやその家族等が行う場合、弁護士への相談や、警察への通報を行うことがあります。
また、程度がひどいときは退去を求め、それ以後の施設・敷地への出入り禁止を伝える可能性があります。
その他留意事項
当院では、患者さん本人、ご家族等に対し、「当院におけるペイシェントハラスメントに関する基本方針」を説明し、ご理解のうえで、入院していただくようお願いしております。
入院前に説明を行い、ご了解の旨、署名をいただいております。皆さんのご協力をお願いします。
2025年6月1日制定
藤本病院 病院長