腹腔鏡下手術

胃癌

2019.09.13

胃にできる代表的な悪性腫瘍です。早期癌から進行癌までさまざまな進行度があり、治療法も進行度に合わせてさまざまです。
早期のものでは胃カメラによる切除で根治するものもありますし、より進行した場合は腹腔鏡による手術や、開腹手術をしています。
根治手術ができない場合は、バイパス手術などの緩和手術や抗がん剤治療などを行います。
当院では非常に早期の場合は胃カメラ治療(EMRやESD)を行い、早期癌はもちろんのこと、一部の進行癌や根治切除ができない場合の緩和手術に
腹腔鏡下手術を積極的に行っています。

胃癌の症状

  • 無症状
  • 心窩部痛
  • 胃部膨満感
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 出血
  • 体重減少
  • 黒色便

胃癌治療の実際

  1. 内視鏡治療
  2. 手術
  3. 抗がん剤治療
  4. 緩和治療

腹腔鏡下胃切除術

藤本病院における腹腔鏡下胃切除術

当院では粘膜下腫瘍(GISTなど)や早期胃癌はもちろんのこと、一部の進行胃癌やStageⅣ胃癌、切除不能胃癌のバイパス手術も腹腔鏡下手術の適応としています。
体腔内再建(腹腔鏡下の消化管吻合)としていますので、吻合用の小開腹はおかず、整容性にすぐれた低侵襲な手術を行っています。部分切除から胃全摘術まで幅広く対応しています。
早期胃癌、根治的治療不能の進行胃癌に対する緩和的胃切除術に対しては腹腔鏡下胃切除を第1選択としています。
切除可能な進行癌(Stage Ⅱ、Ⅲ)に対しては未だ腹腔鏡下手術の功罪が明らかではありませんので、適応は慎重に検討しています。

胃癌治療の実際(胃癌治療ガイドライン 第3版を改変)

当院で行う腹腔鏡下胃切除術

(それぞれ広範囲リンパ節郭清も適宜行います)

  • 胃部分切除
  • 幽門側胃切除
  • 噴門側胃切除
  • 胃全摘術
  • 胃空腸吻合術(姑息的手術)

当院で行う腹腔鏡下胃切除後消化管再建法

噴門側切除 食道残胃吻合(Okabe法)
幽門側切除 BillrothⅠ法 デルタ吻合
Roux-en-Y ベータ吻合
全摘術 Roux-en-Y 機能的端々吻合
over lap 吻合

幽門側胃切除術

状況により適切な再建法を行います。

Billroth Ⅰ法 デルタ吻合 Roux-en-Y法 ベータ吻合

噴門側胃切除術

Okabe法を行い逆流性食道炎を防止します。

胃全摘術

機能的端々吻合またはOverlap法を採用しています。

Roux-en-Y法
幽門側胃切除術後
胃全摘術後
胃全摘術1年後の臍部瘢痕

切除した胃は臍部の創から摘出します。
1年たちほとんど瘢痕が分からなくなった症例です。
(患者さま同意済写真)