大阪府 寝屋川市 一祐会 藤本病院へようこそ 【内科・外科・産婦人科・整形外科・脳神経外科・麻酔科】 京阪本線 寝屋川市駅 徒歩5分

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腹腔鏡下手術

藤本病院における腹腔鏡下手術の取り組み。

当院では平成23年度より日本内視鏡外科学会の技術認定医を常勤外科医に加え、腹腔鏡下手術に特に力を入れています。
からだにやさしい低侵襲手術を第一選択として、術後の痛みを軽く、回復を早くすることで病気と闘う患者さんをサポートします。
胃癌手術、大腸癌手術、胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア手術、急性虫垂炎、癒着性イレウス手術、婦人科良性腫瘍手術など多くの腹腔鏡下手術を行っています。

平成27年度は180例余りの腹腔鏡下手術を施行しました。
また胆嚢摘出術、虫垂切除術、鼠径ヘルニア手術、一部の大腸切除術に対して単孔式手術を導入し、さらなる低侵襲性、美容性を追求しています。

腹腔鏡下手術とは。

腹腔鏡システムを用いて、腹腔に数本のトロッカーを挿入し、炭酸ガスで気腹してモニターで腹腔内を観察、手術をする方法です。
近年は臍部のみ切開する単孔式手術が増加しています。

手術風景


ハイビジョンモニターを通して微細な構造を確認しながら、緻密な手術を行います。

従来の腹腔鏡下手術:腹壁に数本のトロッカーを挿入して手術します。 (Ethicon Endo-Surgery 提供画像)
単孔式手術:臍から数本のトロッカーを挿入して手術します。

腹腔鏡下手術の利点

  • 傷が小さく整容性に優れる。
  • 術後の痛みが少ない。
  • 術後の回復が早い。
  • 癒着が少なく、腸閉塞をおこしにくい。
  • 拡大された映像で手術をするため精密な手術ができる。
  • 出血が少ないため輸血することがほとんどない。

当院で扱う腹腔鏡下手術

  • 胃癌、大腸癌などの悪性疾患
  • 胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患
  • 虫垂炎、胆嚢炎、ヘルニア嵌頓などの緊急手術
  • その他:直腸脱、腹壁瘢痕ヘルニア、癒着性腸閉塞、バイパス手術、婦人科良性疾患など

藤本病院で行っている単孔式手術

  • 胆嚢摘出術
  • 虫垂切除術
  • 大腸切除(早期癌、StageⅣの進行癌など)
  • 鼠径ヘルニア修復術(S-TEP)
単孔式手術(Reduced Port Surgery:RPS)とは臍部のみから数本のトロッカーを挿入して行う鏡視下手術です。
状況により臍部以外にも1~2本のトロッカーを追加することもあります。
臍のみの瘢痕になるため、整容性に優れ近年増加傾向にあります。

胆石症に対する単孔式手術

当院で施行した腹腔鏡下手術(2014年現在)

  • Nissen噴門形成術
  • 胃全摘術
  • 噴門側胃切除術
  • 幽門側胃切除術
  • 胃局所切除術
  • 大網充填術
  • 胃空腸吻合術(バイパス手術)
  • 胆嚢空腸吻合術
  • 右半結腸切除術(単孔式あり)
  • 横行結腸切除術
  • 左半結腸切除術
  • 下行結腸切除術(単孔式あり)
  • 直腸前方切除術(単孔式あり)
  • 直腸低位前方切除術
  • 直腸切断術
  • 回盲部切除術(単孔式あり)
  • 人工肛門造設術
  • 小腸切除術
  • 癒着剥離術
  • 胆嚢摘出術(単孔式あり)
  • 鼠径ヘルニア修復術(TAPP、TEP、単孔式あり)
  • 大腿ヘルニア修復術(TAPP)
  • 腹壁瘢痕ヘルニア修復術
  • 直腸脱根治術(直腸固定術)
  • 傍ストマヘルニア修復術(Sandwich法)
  • 虫垂切除術(単孔式あり)
  • 後腹膜腫瘍切除術
  • 卵巣腫瘍摘出術(単孔式あり)
  • 付属器摘出術(単孔式あり)
  • 子宮筋腫核出術

鼠径ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニアや大腿ヘルニアは足の付け根のあたりが膨らむ病気です。 腹壁に隙間ができるためで、ここから腸などの腹腔内容が脱出します。 腸がひっかかり戻らなくなると腸管壊死をきたし腹膜炎になることがありますので手術で閉じる必要があります。 藤本病院では腹腔鏡下手術で根治治療(TAPPまたはTEP)を行っています。
鼠径ヘルニア手術

ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)提供

従来の手術法との比較

  • 術後疼痛、神経痛が少ない。
  • 両側のヘルニアも同じ傷から治療できる。
  • 混合型ヘルニアの見落としがない。

鼠径ヘルニアの内容と手術方法

鼠径部が膨隆します。大きなものでは陰嚢まで膨隆します。 通常戻すことができますが、還納できなければ嵌頓を疑い、早急な対応が必要です。
鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアの治療

原則手術治療です。ヘルニアバンドなどは根本治療とはならず嵌頓の危険もあり推奨できません。ヘルニア門の縫縮などが行われる場合もありますが、成人ではメッシュを用いた修復法が一般的です。 メッシュ法は、前方アプローチと後方アプローチに分けられます。 前方アプローチの代表はメッシュプラグ法で本邦では最も行われている術式です。 後方アプローチの代表はKugel法、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP、TEP)があります。
鼠径ヘルニアの治療
当院は後方アプローチ(特に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術)にこだわります。 前方アプローチでは鼠径管を開放してメッシュを挿入留置するため、ときに神経痛を生じることがあります。 後方アプローチでは神経にさわることがほとんどないなど多くの利点があります。

後方アプローチの利点

  • 鼠径管を開放しないため神経痛を生じにくい。
  • ヘルニア門を内側から覆うため理にかなっている。
  • さらに腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術では同じ創から両側治療ができる。
  • メッシュ感染が非常に少ない。
  • 早期の創痛も少ない。
  • ヘルニアの診断能が高い。(見落としが少ない。)
  • 嵌頓症例で腸管壊死の診断ができる。
後方アプローチの利点

3DMax Light meshの使用(腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術)[#g36f2392]

3DMax Light mesh
術後1週間目の手術創術後1週間目の手術創 患者さま承諾済み写真
単孔式TEP術後:臍部のみの瘢痕です。

胃癌

胃にできる代表的な悪性腫瘍です。早期癌から進行癌までさまざまな進行度があり、治療法も進行度に合わせてさまざまです。 早期のものでは胃カメラによる切除で根治するものもありますし、より進行した場合は腹腔鏡による手術や、開腹手術をしています。 根治手術ができない場合は、バイパス手術などの緩和手術や抗がん剤治療などを行います。 当院では非常に早期の場合は胃カメラ治療(EMRやESD)を行い、早期癌はもちろんのこと、一部の進行癌や根治切除ができない場合の緩和手術に 腹腔鏡下手術を積極的に行っています。

胃癌の症状

  • 無症状
  • 心窩部痛
  • 胃部膨満感
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 出血
  • 体重減少
  • 黒色便

胃癌治療の実際

  • 内視鏡治療
  • 手術
  • 抗がん剤治療
  • 緩和治療

腹腔鏡下胃切除術

藤本病院における腹腔鏡下胃切除術 当院では粘膜下腫瘍(GISTなど)や早期胃癌はもちろんのこと、一部の進行胃癌やStageⅣ胃癌、切除不能胃癌のバイパス手術も腹腔鏡下手術の適応としています。 体腔内再建(腹腔鏡下の消化管吻合)としていますので、吻合用の小開腹はおかず、整容性にすぐれた低侵襲な手術を行っています。部分切除から胃全摘術まで幅広く対応しています。 早期胃癌、根治的治療不能の進行胃癌に対する緩和的胃切除術に対しては腹腔鏡下胃切除を第1選択としています。 切除可能な進行癌(Stage Ⅱ、Ⅲ)に対しては未だ腹腔鏡下手術の功罪が明らかではありませんので、適応は慎重に検討しています。
胃癌治療の実際(胃癌治療ガイドライン 第3版を改変)

当院で行う腹腔鏡下胃切除術

(それぞれ広範囲リンパ節郭清も適宜行います)
  • 胃部分切除
  • 幽門側胃切除
  • 噴門側胃切除
  • 胃全摘術
  • 胃空腸吻合術(姑息的手術)

当院で行う腹腔鏡下胃切除後消化管再建法

噴門側切除 食道残胃吻合(Okabe法)
幽門側切除 BillrothⅠ法 デルタ吻合 Roux-en-Y ベータ吻合
全摘術 Roux-en-Y 機能的端々吻合 over lap 吻合

幽門側胃切除術

状況により適切な再建法を行います。
Billroth Ⅰ法 デルタ吻合   Roux-en-Y法 ベータ吻合

噴門側胃切除術

Okabe法を行い逆流性食道炎を防止します。

胃全摘術

機能的端々吻合またはOverlap法を採用しています。
Roux-en-Y法
幽門側胃切除術後
胃全摘術後
胃全摘術1年後の臍部瘢痕
切除した胃は臍部の創から摘出します。 1年たちほとんど瘢痕が分からなくなった症例です。 (患者さま同意済写真)

大腸癌

直腸癌の切除標本

藤本病院における大腸癌治療

大腸癌治療は早期癌であれば大腸カメラによる治療が可能です。 ただし、条件によっては周囲のリンパ節も含めて切除する手術が必要になります。 進行癌では周囲臓器浸潤例、大腸閉塞例も含め、当院ではほとんどの症例で腹腔鏡下手術を行っています。 肛門に近い直腸癌も腹腔鏡下超低位前方切除とDST再建法を用いることで可能な限り肛門を温存しています。場合によっては直腸反転法を用いて安全な直腸切除を行っています。 手術適応の早期癌や根治的切除不能な癌に対する手術では、単孔式手術を行いさらなる低侵襲化を図っています。 手術で根治できない場合は、抗がん剤治療や緩和治療、代替療法を行い最後まで誠実な対応をさせていただいています。

大腸癌の症状

  • 血便
  • 便秘
  • 腹部膨満
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 体重減少
  • 便が細くなる
  • テネスムス
  • 無症状
直腸癌の注腸透視検査です。 腸の内腔に腫瘍ができ、便がこすれることで出血の原因となり、大きくなると腸管を閉塞して腸閉塞となります。
腸閉塞を生じた大腸癌のCT検査所見。

大腸癌治療の実態

便潜血検査(免疫法)

便を2回採取して血液が混じっているか調べます。 1回でも陽性なら大腸カメラによる精密検査が必要です。

便潜血陽性

  • 大腸癌:3~4%くらい
  • ポリープ:30~40%くらい
  • 半数以上で何かの病気が見つかります。

便潜血陰性

  • 進行大腸癌の10%
  • 早期大腸癌の50%
便潜血陰性でも安心できません。便秘等の症状が気になる方は大腸カメラをお薦めします。

大腸内視鏡検査

肛門から大腸カメラを挿入し、大腸全体と小腸の終末部までを直接観察します。小さな病変まで観察可能で、病変を採取して病理検査をすることで確定診断ができます。(生検) ポリープや一部の早期癌では大腸カメラで根治切除することが可能です。(EMRなど)また、手術が必要な病変に対してはマーキングすることで腹腔鏡下手術の準備ができます。 当院では専門の消化器内科医により月曜日から金曜日まで随時検査を行っています。

当院で行う腹腔鏡下大腸切除

局所病変であれば高度進行癌まで適応

切除範囲

  • 回盲部切除
  • 右側切除
  • 左側切除
  • 低位前方切除
  • Miles’手術

再建方法

  • DST(double stapling technique)
  • 機能的端々吻合
  • Prolapsing法
  • 体腔内吻合

>腹腔鏡下低位前方切除術

TME: total mesorectal excision(全直腸間膜切除) 肛門に近い直腸癌ではTMEおよびDSTを行うことで根治性を保ちながら肛門を残し、安全に腸管吻合を行うことができます。可能な限り自律神経を温存し、排尿機能、性機能を障害しないように留意しています。

腹腔鏡下低位前方切除術 反転法(Prolapsing法)

肛門に非常に近い病変の場合直腸を肛門外に反転することで安全に切除することができます。
直腸癌など左側大腸癌に対する標準的ポート挿入部位。 ⑫:12mmポート ⑤:5mmポート 直腸癌など左側大腸癌に対する単孔式手術(RPS)のポート挿入部位。 ⑤:5mmポート いずれの場合も臍部創を最小限拡大して切除腸管を取り出します。
左側大腸癌の術後瘢痕
右側大腸癌 単孔式手術(RPS)後瘢痕

胆嚢摘出術

胆嚢摘出術は腹腔鏡下手術の中でも最も普及している手術です。 胆石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症、一部の早期胆嚢癌にも適応されます。 当院では胆嚢の良性疾患の予定手術には単孔式手術を、胆嚢炎などには従来の4孔式の腹腔鏡下手術を行っています。 当院の手術の特徴は、吸収糸で胆嚢管の結紮処理を行いできるだけ体内に金属クリップを残さないことがあげられます。 総胆管結石合併症例では腹腔鏡下胆嚢摘出術の前後で内視鏡的乳頭切開術により結石を除去しています。

胆石症と総胆管結石症

食後(とくに卵や油もの)にみぞおちから右上腹部が痛くなる場合、典型的な胆石発作です。重症化することもあります。総胆管に結石がある場合を総胆管結石症といいます。急性膵炎や黄疸の原因になり、早急な治療が必要です。

胆石症の症状

右の上腹部やみぞおちに違和感から強い疼痛まで起こりえます。 吐き気や嘔吐を生じることもあります。 症状のある胆石症は胆嚢摘出術の適応です。

藤本病院での胆嚢摘出術の実際

  • 手術適応は胆石症、胆嚢腺筋腫症、胆嚢ポリープ、急性胆嚢炎、一部の早期胆嚢癌
  • 軽度炎症までの予定手術は単孔式(RPS)を標準手術
  • 高度炎症例は早期の緊急手術;4ポートを標準手術 適宜術中胆道造影、C-tubeドレナージを施行。
  • 総胆管結石合併例は手術前後で内視鏡的治療(ERCP、EST)
胆石症に対する単孔式手術後瘢痕