腹腔鏡下手術

当院では腹腔鏡下手術に力を入れています

2019.09.12

藤本病院における腹腔鏡下手術の取り組み

当院では平成23年度より日本内視鏡外科学会の技術認定医を常勤外科医に加え、腹腔鏡下手術に特に力を入れています。
からだにやさしい低侵襲手術を第一選択として、術後の痛みを軽く、回復を早くすることで病気と闘う患者さんをサポートします。
胃癌手術、大腸癌手術、胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア手術、急性虫垂炎、癒着性イレウス手術、婦人科良性腫瘍手術など多くの腹腔鏡下手術を行っています。

平成27年度は180例余りの腹腔鏡下手術を施行しました。
また胆嚢摘出術、虫垂切除術、鼠径ヘルニア手術、一部の大腸切除術に対して単孔式手術を導入し、さらなる低侵襲性、美容性を追求しています。

腹腔鏡下手術とは

腹腔鏡システムを用いて、腹腔に数本のトロッカーを挿入し、炭酸ガスで気腹してモニターで腹腔内を観察、手術をする方法です。
近年は臍部のみ切開する単孔式手術が増加しています。

手術風景

従来の腹腔鏡下手術:腹壁に数本のトロッカーを挿入して手術します。 (Ethicon Endo-Surgery 提供画像)
ハイビジョンモニターを通して微細な構造を確認しながら、緻密な手術を行います。
単孔式手術:臍から数本のトロッカーを挿入して手術します。

腹腔鏡下手術の利点

  1. 傷が小さく整容性に優れる。
  2. 術後の痛みが少ない。
  3. 術後の回復が早い。
  4. 癒着が少なく、腸閉塞をおこしにくい。
  5. 拡大された映像で手術をするため精密な手術ができる。
  6. 出血が少ないため輸血することがほとんどない。

当院で扱う腹腔鏡下手術

  • 胃癌、大腸癌などの悪性疾患
  • 胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患
  • 虫垂炎、胆嚢炎、ヘルニア嵌頓などの緊急手術
  • その他:直腸脱、腹壁瘢痕ヘルニア、癒着性腸閉塞、バイパス手術、婦人科良性疾患など

藤本病院で行っている単孔式手術

  • 胆嚢摘出術
  • 虫垂切除術
  • 大腸切除(早期癌、StageⅣの進行癌など)
  • 鼠径ヘルニア修復術(S-TEP)

単孔式手術(Reduced Port Surgery:RPS)とは臍部のみから数本のトロッカーを挿入して行う鏡視下手術です。
状況により臍部以外にも1~2本のトロッカーを追加することもあります。
臍のみの瘢痕になるため、整容性に優れ近年増加傾向にあります。

胆石症に対する単孔式手術

当院で施行した腹腔鏡下手術(2014年現在)

  • Nissen噴門形成術
  • 胃全摘術
  • 噴門側胃切除術
  • 幽門側胃切除術
  • 胃局所切除術
  • 大網充填術
  • 胃空腸吻合術(バイパス手術)
  • 胆嚢空腸吻合術
  • 右半結腸切除術(単孔式あり)
  • 横行結腸切除術
  • 左半結腸切除術
  • 下行結腸切除術(単孔式あり)
  • 直腸前方切除術(単孔式あり)
  • 直腸低位前方切除術
  • 直腸切断術
  • 回盲部切除術(単孔式あり)
  • 人工肛門造設術
  • 小腸切除術
  • 癒着剥離術
  • 胆嚢摘出術(単孔式あり)
  • 鼠径ヘルニア修復術(TAPP、TEP、単孔式あり)
  • 大腿ヘルニア修復術(TAPP)
  • 腹壁瘢痕ヘルニア修復術
  • 直腸脱根治術(直腸固定術)
  • 傍ストマヘルニア修復術(Sandwich法)
  • 虫垂切除術(単孔式あり)
  • 後腹膜腫瘍切除術
  • 卵巣腫瘍摘出術(単孔式あり)
  • 付属器摘出術(単孔式あり)
  • 子宮筋腫核出術